夏は「心」の弱りに注意
心臓トラブル、不眠
夏は中医学で「心」とよばれる臓器に負担がかかりやすい季節です。
心は血脈と血液循環を司る臓器。ここが弱ると動悸や息切れ、不正脈、心筋梗塞、狭心症といったような心臓トラブルを引き起こしがちになってしまいます。
もともと、このような不調がある人は、夏に症状が悪化しやすいので注意して下さい。
また、心には、意識や思考、感情などの精神活動をコントロールする働きもあります。中医学では、脳の働きは心と関係が深いとしているので、心が弱ると、不安感、落ち込みやすい、もの忘れといった症状が起きやすくなります。不眠も心の働きが低下していることが原因です。
心が弱ると忘れ物が増加
夏に関係の深い臓器「心」。心が弱い人は暑がりで、ほてりやすいタイプが多く、夏そのものが苦手な傾向があります。
思考を司る心が弱ると、もの忘れしやすくなります。記憶力の低下というより、鍵のかけ忘れやエアコンの消し忘れといった「うっかり系」が増えるのです。
また、心の状態は顔や舌に出やすく、赤ら顔だったり、舌に口内炎ができたり、言葉がうまく出てこなかったりします。汗との関係も深く、ちょっとしたことで、顔や全身にドッと汗をかく傾向にあります。
夜更かしは、もっとも心を弱らせます。
夏に取り入れたい食材
「心」を養う食材
- レンコン
- アサリ
- ぶどう
- 卵
- 牛乳
レンコン
れんこんは昔から血の迷走を止める薬といわれ、鼻血、吐血、下血、産後の出血など様々な出血を止める作用があります。加熱したものは、脾、胃を健やかにし、消化を助けて下痢を止める作用があります。また、熱を加えたのと生では効能が変わります。
アサリ
アサリは熱を下げ、痰濁を取り去る。 黄痰、ねばねばした痰、咳・胸痛などの効能があります。ほかにも、のどの乾燥を潤し乾きを止める。 のどの渇き、冷たいものを飲みたがる、のどの痛みなどにもいいのです。
胸に熱感があり不安を感じる、精神的に不安定でいらだちを伴う体の熱感、のどの乾燥、肺が弱ったことによる咳などにも効果があります。
アサリの味噌汁など取り入れやすいかたちで食べるのもいいので紹介しておきます。
https://cookpad.com/recipe/6251785
ぶどう
エネルギーや血液を補う。肝・腎を補い、筋肉や骨を丈夫にする。体液成分を生み、渇きやほてりを抑える。尿の出をよくして、ある種のむくみをやわらげる。血液不足や潤い不足による皮膚の不調を整える。
注意しないといけないのは、胃腸虚弱の場合、過食すると下痢するので注意。風邪の引き始めには、症状を悪化させるので摂ってはいけません。
卵
卵は、胃腸に負担をかけず、心と体の基本を作るアミノ酸スコアが満点の優秀食材です。
ビタミンCと食物繊維以外の栄養成分が揃っているので、体全体の不調を改善するのに活躍してくれます。
黄身に含まれるコリンは、コレステロールや中性脂肪の量を適正に保ったり脳を活性化して集中力、記憶力を高めたりする働きがあります。
牛乳
エネルギーを補い、血液を養い五臓を補うとされています。呼吸器や胃腸を潤す効果があり、。体液成分を生み、渇きを抑えたり、腸を潤して便通をよくする。肌を潤す。
注意なのが、胃腸虚弱や胃腸が冷えている場合、水分代謝が悪い場合は控えるか、加熱して注意しながら摂る。乳糖分解酵素がない人は、お腹が脹ったり、下痢をすることがあるので注意してください。